愛知県岡崎市・右田さん
2009年5月築
楽しく暮らしている住まい手の家は、
家そのものも、なんだか楽しそうに見えます。
設計ファイル
斜めに建てたことで生じた三角スペースを生かし、違った表情の風景を楽しむ。

敷地に対し斜めに建っている右田さんの家は、木造打ち放しフォルクスAに下屋を組み合わせたOMの家です。斜めに建てたことで生じた三角のスペースにはデッキを設け、それぞれのスペースに合わせた植栽により、表情の違った風景を楽しむことが出来ます。
室内は仕切りのない大空間になっていますが、その中でもコーナーにみんなが揃って勉強できるスペースを設け、両面から使える棚を置いて仕切り代わりにしています。
収納は大きな容量のロフトと、1階階段下に引き出し収納、また階段踊り場下には床から一段下げたOM 対象外の収納があり、食物ストックなどに使われています。
建物概要
- フォルクスA 2階建て
- 敷地面積:202.73平米
- 延床面積:126.50平米(1階75.00平米 2階51.50平米)

1階和室から三角スペースに設けたデッキを見る。

【左】動きを感じさせる斜めになった玄関の上がり口。
【右】リビング一隅に設けられたみんなの学習コーナー。
家づくりと暮らし
今年の冬は、暖房器具なしで過ごせてしまうかも。
リビング奥側には和室が緩やかに繋がっている。
愛知県岡崎市内の住宅地の一画。道路に沿って建ち並ぶ家々の中に、道路に対して角度をつけて建っている真新しい家があります。2009年5月に完成した右田さんご家族が暮らすOMソーラーの家です。
「敷地に対し斜めに家を建てると隣家と視線が合いにくいとか、光や風が入りやすくなると住宅関連の本で読み、そんな風に建ててみたいと思っていたんです。この敷地は方位に対し斜めに振れているので、OMソーラーの集熱面を南に向けると必然的にこういう向きになるんです。」
角度をつけて建てた経緯をお話してくれたのは、奥様の真紀さん。「駐車スペースも直角ではなく斜めなので、出し入れがすごくラクですよ」と、笑顔で言葉を続けます。
植栽が賑やかに彩る右田邸の庭。
右田さんがこの地に住み始めたのは平成8年のことです。「結婚を控えて住まいをどうしようかと考えた時に、アパートにお金を費やすのはもったいないからと、家の評価はほとんどありませんでしたが、築19年の中古住宅を購入しました。場所が実家に近く、静かな住宅地でしたので、土地が手に入ればというぐらいの気持ちでした。」
木造スレート葺き二階建ての家は、新婚の2人にとっては十分な広さの家でした。ただ昔風の家で台所が狭かったのでLDKに増築し、2人で室内を明るい色に塗り替えるなどリフォームをして入居しました。
その家で月日が流れ、右田さんは5人家族になりました。子どもたちが成長するにつれ、次第に狭く感じ始め、また古い家でしたから階段は暗く急だし、夏は暑く冬は寒し、部屋の温度差が激しく結露がひどいなど、いろいろな問題が気になるようになりました。
2階のデッキは子どもたちにとって気持ちの良いの遊び場。
「買った時にすでに築19年経っていましたし、いずれは建て替えるつもりでした」というご主人の康弘さん。とはいえ、「住めないわけではないので、いつどのタイミングが家族にとって一番良いかを考えていました」ともいい、「その日」のために住宅の完成見学会に行ったり住宅雑誌を見たり、自分たちにとってどういう家がいいのかを、あせることなくじっくりと見定めていたのだとか。
「最初の頃は建築家の建てたスタイリッシュな家がいいと思っていた」という右田さんも、様々な情報に接するうちに、「住み心地の良い、自然素材を使った家がいい」と思うようになっていきました。しかしその一方で、「自然素材の家は高価だから手が届かないかな」とか、「汚れないのかな」などの心配もあったといいます。
そうした思いに揺れつつ、インターネットに「自然素材」などのキーワードを入れて検索していく中で知ったのが、OMソーラーシステムと住まい手に合わせた家づくりをしている地域工務店の存在でした。

【左】1階のリビングは仕切りのない広い空間。
【右】子どもたちもお手伝いできるようアイランド型のキッチンを選択。
同じ敷地なのに角度を変えただけで景色が違って見えるんです。
リビング東側に続く和室。2つの部屋の間には襖があるが普段は外してオープンな空間に。
「OMソーラーのことは送ってもらった資料を読んで、いいものだろうと頭では理解はできました。でも機械を使っているので音はどうだろうとか、効果は本当にあるのかなど心配もありましたので、すぐに飛びつくわけにはいきませんでした」と右田さん。
それらの疑問を確かめるべく、地域工務店が開催する見学会に何度も足を運び、自分の目で見たり体感したり、OMの家に住んでいる人に住み心地を聞くことで納得を重ねていったといいます。OMの家での宿泊体験をした時には、自然素材とOMの心地良さを実感したといい、さらに、「私たちは共働きで日中は留守になりますが、OMなら冬でも太陽が家を暖めていてくれるし、夏は排熱してくれる。OMのそういうところがうちの事情にぴったり」と確信を抱くようになります。
こうしてじっくりと時間をかけ、情報を吟味しながら次第に思いを固めていった右田さんが「子どもたちが小さすぎず、かといって大きくなって暮らす時間が短くても意味がない。家族みんながいい家だよねと言いながら暮らす家を建てるのは、今」、と思えるようになった時、選択に残ったのは地域工務店が建てるOMソーラーの家、フォルクスAでした。
小屋裏への階段に座る仲良し3人きょうだい。
そして右田さんが以前から抱いていた「敷地に対し斜めに建てたい」という思いは、OMの家と出会い、その集熱面を南に向けたことにより現実のものとなりました。
「以前と同じ敷地なのに、角度を変えただけで別の土地に来たみたいに景色が違って見えるんですよ」と喜ぶ真紀さん。玄関を入るとOMならではの仕切りのない大きな空間が広がり、左右正面どの開口部からも絵のように味わいのある木々の緑が目に入ります。
お訪ねしたのは10月の下旬。朝晩そろそろ暖房が恋しくなる時期でしたが、「最近は冬モードにしてあるので、外から帰ってくると家の中が暖かいから、まず靴下を脱いで半袖と短パンになるんです。子どもたちは下着で寝ていますし、このままだったら冬も暖房器具なしでも過ごせるかも、なんて話し合っているんです」と冗談交じりに話す右田さん。初めて経験するOMの家での冬を、期待を込めて楽しみにしている様子です。
さて、いい家づくりのための情報収集の一環として見学会に参加していた右田さんですが、家が建った現在も、相変わらず見学会に出かけているのだそうです。
「地域工務店さんの建てる家は、住まい手のライフスタイルに合わせていろいろな工夫がされているので、見ているだけでもすごく楽しい。この家も私たちの思いを叶えてくれた私たちのための家。だからみんなが気持ちよく楽しく暮らすことができるんです。そう思いながら暮らせることってすごく幸せなことですよね。これから家を建てられる方も、それぞれにたくさんの思いを込めて、いい家づくりに臨んでいただきたいと思います」。

【左】手前に見える来客用の長机は普段は中央の棚の側面に収納されている。
【右】子どもたちの気配は家のどこにいても感じられる。


















