石川県白山市・西口さん

2002年11月築

意図を汲み取り、細部にまで理解を示してくれたのは、工務店だけでした。

設計ファイル

廊下を持たない大空間。ポイントにお気に入りの色を効果的に配置。

写真:石川県白山市・西口さんの家内観(吹き抜け)

吹き抜けのある40畳という大空間が特徴の西口さんのOMの家。この空間を活かすために、西口さんの家には玄関ホール以外に廊下がありません。

1階吹き抜け部分は、トランポリンができるよう大理石の床と、それ以外はパイン材の床のオープンスペース。浴室、脱衣所、洗面室、トイレは西側に集中させ、洗面室から右手に浴室、左手にトイレと、洗面室が廊下の役割を果たしています。

写真:吹き抜け東側の収納棚
吹き抜けの東側壁一面に設けた収納棚。
趣味の書籍がぎっしりと並ぶ。

キッチンは、3人で食事の支度をすることが多いためアイランド型に。ぐるりと回りながら作業ができ、3人がぶつからないよう十分なスペースが確保されています。

また、黄色が大好きだという西口さんは、愛車のカラーに合わせ、カーテンから小物にいたるまで、ポイントに黄色を使い、白い壁の室内に軽やかな彩りを添えています。

写真:太い杉の丸太が中央に見える 写真:西側水周りと書斎
【左】吹き抜けを含む40畳の大空間を支える、太い杉の丸太。
【右】西側水周り並び、空間に設けられた書斎。小物がセンス良く飾られている。

建物概要

  • 在来木造2階建て
  • 敷地面積:176.97m2
  • 延床面積:143.90m2
    (1F:81.93m2、2F:61.97m2


石川県白山市・西口さんの家平面図(クリックで拡大)

家づくりと暮らし

私たちがこだわった「大きな空間と吹き抜け」のある家。
太陽の恵みが、穏やかな温もりで包んでくれます。

写真:西口邸外観 大好きな黄色を生かした西口邸外観。写真はカメラマン西口さんご自身の撮りおろし。

石川県の南部、白山市の閑静な住宅地に、シルバーとイエローのコントラストが美しい、片流れの屋根をしたOMソーラーの家があります。お住まいになっているのはコマーシャルフォトを専門とするカメラマンの西口さん、老人介護のお仕事に携わっている奥さまと、娘さん の3人家族です。

西口さんは、それまで住んでいたマンションが娘さんの成長とともに手狭になってきたことから、家づくりを考え始めました。そして家づくり初体験の人の多くがそうするように、西口さんもまずはモデルハウスが建ち並ぶ住宅展示場へと出かけたといいます。

ところがそこでは、思い描いた家をなかなか見つけることができませんでした。なぜなら、西口さんが条件として掲げたのは、「40畳の空間と、吹き抜けのある家」だったからです。

写真:リビングの大空間
北陸の気候には適さないとされた大空間。
OMと出会ったことで西口さんのこだわりを生かした家が完成した。

カメラマンである西口さんの仕事場は、幅7m、奥行13.5m、天井まで4.5mという大きなスタジオです。ここで仕事をしている西口さんは、この空間を「自宅でも実現できないか」と考えたというのです。この広い空間の心地よさにすっかり馴染んでいた西口さん。この広さは落ち着けるだけでなく、趣味のビデオシアターや、オーディオのためにも必要な空間でした。さらにはジュニア競技のトランポリンで日本はもとより海外まで遠征する娘さんのためにも、「家の中でトランポリンができたら…」と考えたそうです。

しかし、展示場でハウスメーカーに「40畳の空間と吹き抜けのある家を建てたい」と話を切り出してみても、「まともに相手にしてもらえないか、プランを出してもらっても、こちらの希望が伝わっていないなと思うものばかり」と、話は一向に進展しません。

写真:吹き抜けホールからリビングを望む 40畳の大空間を暖房という意識すらないほど自然に暖めるOMソーラー。

そこで頭を抱えた西口さんを見かねた知人が、「試しに会ってみたら?」と紹介してくれたのがOMソーラーの会員工務店だったのです。「ダメもとで」と西口さんが条件を話すと、意外にもその工務店は「意図するところを汲み取って、細部のこだわりに対しても理解を示してくれた」といいます。さらには、「そういう条件ならば、OMソーラーが適しているのではないか」と薦められたというのです。

「初めて聞いた名前だったので、OMソーラーってなに?と尋ねたんです。そうしたら、『熱くはないけど、ほんのりと暖かい』と言うんです。それからシステムの説明を聞いたけど、正直言って完全に理解できたわけではなかった。でも暖房を『OMソーラーシステム』というところが、感覚的に今風でカッコイイかなって(笑)。実際問題としてこれだけ大きな空間なので、温熱環境のことはずっと問題だなと思っていました。それでOMソーラーの家というのを見に行って、実際に体感してみたら結構暖かかったので、じゃあチャレンジしてみようかって」。

写真:広々としたキッチン 家族3人で食事の支度をするという西口さん。キッチンは十分な広さを確保。

慣れ親しんでいた空間であったこと、そして娘さんのトランポリン練習のためという理由から、「40畳の空間と吹き抜け」を条件として掲げた西口さん。そうした大空間や吹き抜けは、北陸のような土地では温熱環境をつくり出すことが困難なため、以前から適さないものという認識がありました。だからこそ、出かけた住宅展示場で、西口さんの期待した反応が得られなかったのも、無理のないことだったのです。

しかし太陽が暖めた空気を床下に蓄え、その空気を室内に回すOMソーラーならば、間取りは開放され自由な住空間が実現できます。「40畳の空間と吹き抜け」であっても、温度差の少ない温熱環境を生み出すことを可能にする家づくりなのです。

OMって暖房している意識すらないほど“自然な暖かさ”なんですね。

こうしてOMソーラーと出会えたことによって、西口さんのこだわりを生かした家が2002年11月に完成しました。太い杉の丸太に支えられた吹き抜けを含む40畳の大空間は、娘さんのトランポリンの練習も十分できる上、お友達も一緒に練習ができると大好評とか。また、この家の中での撮影もあるとのことで、室内は西口さんのカメラマンとしての審美眼が、小物に至るまで生かされています。

写真:吹き抜けを2階から眺める 吹き抜けの空間はトランポリンの練習のため。左手にあるのが折り畳まれたトランポリン。

さて、「巨大な暖房機かなぐらいの認識」で「チャレンジしてみよう」とOMを導入したという西口さん。3年を経過した今、OMについてこんなふうに感じているといいます。

「日本海側の人間の感覚からすると、外から帰ってきた時など、直接火に手をかざしたいぐらいの気持ちというのが本音です。だから熱くはないけど均一な暖かさという、言ってみればスローなシステムのOMに、最初は物足りなさを感じるかもしれません」。しかしある時、故障でOMが一時ストップしたのだとか。「復旧するまでOMなしで過ごしたことがあったんです。すごく寒い時期で、エアコンを入れてもこの広さですから、とても対応できるものではなく、もう寒くて寒くて…」。そして、その時初めてOMがどれだけの働きをしていたのかを、改めて思い知らされたと、西口さんは話を続けます。

OMって暖房しているという意識すらないほど“自然な暖かさ”なんですね。僕たちは今までそういう暖房を知らなかったから、その時の経験は、感動に近いものがありましたね」。

写真:娘さんの部屋 トランポリンで日本はもとより海外まで遠征するという娘さんの部屋。

カメラマンとして、西日本で最初にデジタルカメラを手がけたという西口さんは、「デジタルカメラは面白そうだったからチャレンジしました。僕はとにかくチャレンジしてみないことには、何も始まらないと思っています。僕にとってもOMもひとつのチャレンジ。でもOMの場合は、雪国でもきちんとした実績を積み重ねているので、安心はしていましたけどね」と語ります。

太陽の恵みを受けた大きな空間を持つ西口さんのOMソーラーの家。厳寒の地、北陸の冬の認識を、穏やかな温もりでやさしく塗り替えていきます。