熊本県阿蘇郡・西元さん
2004年5月築
犬も猫も、私たちの大切な家族です。
みんなが心地よく暮らせるよう、想像力を働かせ、彼らの目線に立って、
家族みんなのための「家づくり」を考えました。
設計ファイル
自然素材を使った細やかな配慮がなされたOMの家。
南阿蘇の雄大な自然の中に建つ西元さんのOMの家は、在来木造の2階建て。広い芝生の庭には小川までこしらえています。
家の内部は中央に吹き抜けを配し、床下で暖めた空気の通り道になっています。夏の暑さ対策として、エアコンが苦手な奥様と猫の文太クンのために、天井にシーリングファンを設置しましたが、OMの排熱効果で一度も回さずに夏を乗り切ることができたとのこと。
また、天然乾燥された無垢材、和紙、珪藻土など自然素材がふんだんに使われており、素材の心地よさを感じることができます。
室内のドアには犬猫専用の出入り口を設け、両面から出入りが可能。玄関ドアは、夏の留守中の温度対策として、網戸を含む三枚扉で、施錠ができる仕様となっています。
トイレのドアにも猫用のドアを設け、収納部分の半分スペースを空けて猫用のトイレスペースに。換気設備の整った場所にトイレを置くのは臭い対策としても合理的です。

【左】ひとりでは階段を下りられない犬の大クンのために、階段には柵を設けています。
【右】2匹のサイズを測ってつくられた犬猫専用のドアは、どちら側からでも出入りが可能。

換気設備が整ったトイレの中に設けられた猫用トイレ。専用ドアも設けられている。
建物概要
- 在来木造2階建て
- 敷地面積:752.06m2
- 延床面積:138.66m2
(1F:75.58m2、2F:63.08m2)
家づくりと暮らし
OMは太陽が暖めた床暖房だから安全。人間にもペットにもやさしいシステムです。
座っていた椅子からおもむろに降り、軽い身のこなしでひょいひょいとキャットタワーを駆け登る猫の文太クン。来客が嬉しくて、尻尾を振り振り走り回るパグ犬の大クン。その2匹を見つめる西元さん ご夫妻の目は、優しさにあふれています。

雄大な阿蘇の自然の懐に抱かれた西本さんのOMの家。
冬、暖かいのはもちろんのこと、夏もクーラーなしで過ごせたという。
ペットを飼えない団地で育った奥様は、「犬と猫と一緒に暮らすのが夢だった」といい、「結婚したら犬と猫を飼おう」、そう夢見ていました。そして結婚を間近に控えたある日、捨て猫だった文太クンと出会い、その後パグ犬の大クンを貰い受け、子供の頃からの夢だった「犬と猫と一緒」の新婚生活がスタートします。
しかし幸せな日々は、西元さんに福岡への転勤が決まったことから振り出しに戻ります。新しい土地でペットの飼える賃貸住宅を探すことは容易ではありません。それでもなんとか頼み込み、やっとのことで古い借家を借り受けますが、「冬は寒くて、みんなでストーブのある部屋に集まり、じっとしていた」と、住み心地が良いとは言えませんでした。
中でも最も頭を痛めたのが、2匹を残して外出する際、「布団を雪国のカマクラみたいに2つ用意しておくのですが、帰ると2匹とも震えていた」ことで、奥様は「外出しても、気になって仕方がなかった」といいます。
大きな吹き抜けのある開放的なリビング。
左脇にOMソーラーのダクトが見えます。太陽熱で床暖房するOMの家は、自分たちが留守の時でも安全に部屋を暖めることができ、ペットにもやさしいシステムであることがOMに決めた理由。
賃貸住宅ではそれも仕方のないこと。そう思いながら我慢して暮らすのは、人間にとってもペットにとっても、ストレスの多いことです。そこで、以前から転職を考えていた西元さんは、転職を機に、「思い切って土地を買い、家を建てよう」と一大決心をするのです。家族が不自由な思いをせずに暮らすためには、もうそうするしかないと。
家づくりのために選んだ土地は、九州のほぼ真ん中に位置する阿蘇。鹿児島生まれの西元さんにとっては、九州を象徴する阿蘇は憧れの地であり、「自然が豊かで気分がパァーと開放されて、こんな所に住みたいな」と、すぐに購入を決めたといいます。
そんなおおらかな自然に恵まれた土地に建てる家は、住宅雑誌で見たOMソーラーの家に決めます。お二人はそれまでOMのことは全く知りませんでした。
最初にOMを知った奥様が、「太陽熱で床暖房するのなら、留守の時でも安全に部屋を暖めることができるので、2匹を残して外出しても安心」とこれで心配事が一気に解消できると大喜び。OMの環境を考慮したシステムであることもさることながら、その安全性に強く惹かれます。
家の中からデッキを通して見た外の景色。いろいろな形の別荘が立ち並ぶ。
それから資料を取り寄せ、OMについて知れば知るほど、機械によって力づくで温熱環境を作り出す直接暖房に比べ、OMは家の中の温度差が少なく、しかも温かさを常態的に保つことができるので、人間に頼らなければ温度調整ができないペットにとってもうってつけのシステムだ、と納得したといいます。
そしてこの自然豊かな場所に建てるのだから「環境負荷の少ない家を」と考えていた西元さん。自然を閉ざすことなく、自然のチカラを活用するシステムだから、「ここ、阿蘇という土地にも合う」と、OMの家に決めるのです。
この家は、家族みんなが気持ちよく過ごせる家。
西元さんご夫妻は、ホームページで探し出したOMソーラーの加盟工務店に、思いつく限りの要望を伝えました。
「今までは猫と犬が出入りするたびに、ドアを開け閉めしなくてはいけなかった」から、扉には犬猫用の出入り口を。夏の暑さ対策として、玄関ドアは風を通しながら施錠もできる扉に。キャットタワーは木製で造り付けに。家の中で用を足す猫の文太クンのトイレは、換気設備が整った人間用のトイレの中に。壁は臭いを吸収できるよう珪藻土に、等々。それら細かな要望に対し、2匹の大きさを測りながら、家づくりのプロとしての技術で応えるのは、地域の工務店ならではの仕事。こうして2004年5月、西元さんのOMの家は完成します。

【左】網戸で風を通しながら施錠もできるよう工夫された3枚戸の玄関ドア。
【右】猫の文太クンのサイズを測り、大きさや角度を考慮して作られたキャットタワー。
動物が苦手な人には、どうしてペットのためにそこまで、と思われるかもしれません。しかし西元さんにとってペットは、楽しいことも辛いことも、ともに過ごしてきた大切な家族なのです。「家族が気持ちよく暮らせる家」をつくるためには、ことばの話せない彼らに代わって想像力を働かせ、苦い体験から得た教訓を生かして家づくりに臨むのは当然のこと。ペットも含めた家族みんなが、気持ちよく暮らせる家でありたい、そう思ったから。
大クンと文太クンを連れて散歩中、ご近所の畑で談笑する西元さん。
南阿蘇の豊かな自然の懐に建つOMソーラーの家。大きな吹き抜けのある開放的なこの家で、文太クンと大クンは縦横無尽に駆け回り、おかげで床につきそうだった文太クンのおなかも、ちょっぴりスリムになりました。
より暖かく過ごせるよう居間の一部に蓄熱タイルを填めましたが、2匹ともあちこちお気に入りの場所で休んでいます。それというのも、冬は太陽の温もりを家全体に回し、夏は排熱したり外気を取り込んだり、と家の中の温度差が少ないOMの家だからこそ。OMの家はそこで暮らす人を活発にし、開放的にしてくれるのです。
これで2匹を置いての外出も、もう安心。西元さんは、2匹ののびのびした姿を見るだけでも、家を建てて良かった、そう思えるのです。
この家にいるのが楽しいから、どこかへ遊びに行こうという気がなくなりました、と笑顔で語る西元さんご夫婦。
「以前は車の後部座席にベッドとトイレを積んで、犬と猫と一緒に旅行に出かけたのですが、この家を建ててから、どこへも行く気がしなくなりました。この家にいるのがいちばん楽しいですから」と語る西元さん。
美しい自然に抱かれ、太陽や風の恩恵を受けながら、愛する家族とともに生きる伸びやかな暮らし。その姿は、自分たちの価値観を大切にし、それを家づくりに生かすことができた満足感に満ち溢れています。


















