よくわかる!OMソーラー
屋根が受ける太陽熱で空気を温め、床から建物を温めたり、水からお湯をつくったりする。OMソーラーのしくみはこのようにシンプルなものですが、実は、そのすべてに理由があるのです。
3つの「なぜ?」と、その理由
なぜ、太陽の熱を使うの?
OMソーラーは、太陽の「光」でなく「熱」を使って暖房や給湯に使います。
なぜ、「熱」を使うのか?
それは、「熱」で済む用途には「熱」を使うのが一番単純で無駄がないからです。
暖房なら、寒い冬でも20℃もあれば十分快適のはず。そして、屋根にはたくさんの太陽熱が降り注いでいます。
その熱を使わずに、わざわざ石油を燃やしてつくる電気を使って暖房するのはもったいない。電気のような高度なエネルギーは、電気にしかできない「照明」や「動力」に使い、低レベルな「熱」で済む用途には太陽の「熱」を使いたい。
だから、OMソーラーは、暖房や給湯に太陽の「熱」を使うのです。
なぜ、空気を温めるの?
これにはいくつか理由があります。
まず、空気なら液体と違って万が一漏れても安全です。そして寒い地方で凍ってしまう心配もありません。
また、空気を床下にまわして温めるOMソーラーは、「温かい空気が上昇する」という性質と相性が良いしくみです。天井近くから温風を出す場合は強制的に床面近くへ空気を送らないと足元が冷えてしまいますが、OMソーラーは床吹き出し口から空気がゆっくりと流れ出ます。
そして何より重要なのは、空気そのものを温めて取り込むので、暖房しながら換気ができるということです。冬に窓を開けて換気すると、せっかく温めた部屋に冷気が入ってしまいますが、OMソーラーでは「暖房」と「換気」という相反することを同時に実現します。
だから、OMソーラーは太陽の熱を「空気」に伝えて利用するのです。
なぜ、熱を貯めるの?
熱エネルギーには、「蓄えることができる」という特徴があります。
OMソーラーはこの特徴を活かして、昼のあいだ太陽の熱を床下の基礎コンクリートに貯めておきます。コンクリートはいったん温まると冷めにくい性質を持っており、言ってみれば「熱の貯金箱」です。この、貯めた熱を、時間差で少しずつ使うのです。
冬、特に暖かさが欲しいのは太陽が沈んだ夕方から明け方にかけての時間帯です。OMソーラーでは、集めた熱のほとんどをいったん床下のコンクリートに蓄えます。その熱が、夕方、外の気温が下がってくる頃から翌朝にかけてゆっくりと放熱するため、室温が急激に変わることがありません。
こんなふうに一日の室温変化を緩やかにできるのがOMソーラーのいいところ。OMソーラーは「温度をいかに上げるか」ではなく、「温度低下の速度をいかに緩やかにするか、変動幅を少なくするか」という「なだらか曲線」の特長をもっています。
なだらか曲線
これは建物の建築条件による室温変動の模式図です。断熱・気密のよい木造住宅(上)と、そこに「蓄熱」をプラスした場合(下)。熱を貯めると、室温変化が緩やかになることがわかります。
断熱・気密のよい木造住宅
晴れた日中は窓から入る陽射しで室温が急上昇しますが、日が落ちるとともに外気温に近づき、昼夜の温度差が大きくなります。
蓄熱すると…
日中の余分な熱は蓄えられ、それを夜に放熱するため、一日の室温の変動幅が小さくなります。
集めて、貯めて、逃さない
OMソーラーは建物の構造自体をしくみとして利用するため、家を建ててからポンと設置することはできません。設計段階から太陽熱利用を考えていきます。
そのときに重要なのが、パッシブの家づくりの基本となる「集熱」「蓄熱」「断熱気密」です。
- ※パッシブ
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建築的な方法や工夫によって、太陽などの自然エネルギーを利用する技術やしくみをパッシブシステムといいます。
パッシブの基本三要素
OMソーラーの家に限らず、建物は、建物自体が一定の熱を蓄えながら、外界から熱を吸収したり、熱を奪われたり、ということを繰り返しています。そして、この熱のやり取りのバランスによって、室内の温熱環境が決まります。
欲しい熱を集めて、貯めて、上手に使う。欲しくない熱は逃がす。こうしたやり取り(建物の熱収支)がうまくいっている家は、四季を通じてほどほどに心地よく、うまくいかない家は、夏に暑かったり、冬に寒かったりする家になってしまいします。
集熱(しゅうねつ)
建物に外から熱が入ってくることをいいます。
OMでは、屋根で太陽の熱を集めます。屋根の上の強化ガラスが温室のような役割を果たし、集熱空気の温度をさらに高める働きをします。
蓄熱(ちくねつ)
建物に熱が蓄えられることをいいます。意識的に貯めておかないと、次第に建物から熱が奪われていきます。
OMでは、日中屋根で熱くなった空気をダクトを通して床下へ送り、基礎コンクリートを温めます(熱を貯めます)。
断熱・気密
断熱とは、屋根や壁、床などから熱が逃げるのを防ぐこと。気密とは、空気そのものが熱を運んで出て行かないよう遮ること。
蓄えた熱は、太陽が沈むとゆっくり放熱を始めます。このとき熱を逃がさないための断熱・気密の工夫が大切です。「入り(集熱)を計って、貯蓄し(床下蓄熱)、出ずるを制する(断熱・気密)」。これがOMソーラーの基本。ただし極度に気密を高めると、肝心の人間が息苦しくなってしまいますから、地域の気候条件を正しく読み取り、「バランスのいい断熱・気密の計画」が必要です。
















