導入のメリット

OMソーラーによる心地良い暖かさや、暖房と換気を両立できることによる室内空気質の向上、自然エネルギー利用による環境負荷の低減は、住宅はもちろん、不特定多数の人が利用する施設建築においても大きなメリットです。
施設の用途別に見た、OMソーラー導入のメリットやポイント、また、実際にOMソーラーの導入を手がけた設計者や施設の利用者の声をご紹介します。

福祉施設

高齢者施設

近年、我が国の高齢化は急速に進んでおり、遠くない将来、世界に類を見ない水準の高齢化社会が到来すると見込まれています。こうした中、これからは高齢者やハンディキャップを背負った人々の立場にたった視点がますます重要となります。私たちが介護を必要とする状態になった時、誰もが願うことは、住み慣れた土地で、できれば家族や隣人と共に、穏かに暮らしたいということでしょう。
OMソーラーは外気を導入するため、施設特有の生活臭を取り除き、常に空気を清浄に保ちます。また、低温輻射暖房(床暖房)により日溜りのような自然な暖かさを実現。身体の弱い高齢者にとって快適で活動しやすい環境を整えます。

ポイント
  • 換気…においを抑える。
  • 床暖房…高齢者やハンディキャップ者などへの配慮。
  • お湯採り…頻繁な入浴等のケアに(低ランニングコスト)。
  • バリアフリー…居室間で温度差が小さい(温熱 環境のバリアフリー)。
介護付有料老人ホーム「わくわくホーム」(長野県) 設計/新井建築工房+設計同人NEXT
介護付有料老人ホーム「わくわくホーム」(長野県) 設計/新井建築工房+設計同人NEXT

「職業柄、環境(建物)は生体に影響するという考えが根本にありました。…静岡にある築後数十年経つ老人ホームを見学し、OMが入っている空間は施設特有のにおいがしないという現状を目の辺りにしてからはもうこれしかないと思いました。」
わくわく代表取締役 中山久美子さん

特別養護老人ホーム「芳川の里」(静岡県) 設計/中央設計
特別養護老人ホーム「芳川の里」(静岡県) 設計/中央設計

「とても穏やかな暖かさですね。機械から出される温風とは違った、柔らかな、本当に日差しを浴びているような感じの暖かさです。」
施設長 池谷八千代さん

保育所

幼児にとって保育園は、生活の場そのものであり、遊びの空間でもあります。そんな生活空間の中で、子どもたちは園内を縦横無尽に動き回りますから、考え方の基本は「健康的で安全な室内環境」であることに違いありません。寒い地域でも小さく区切ることなく、熱的バリアフリーな環境をつくりだすことができるOMソーラーは、子どもたちの自発的な、自由で活発な遊びを誘い出します。何より、幼児期に、毎日太陽の恵みを五感で感じて過ごすことは、何にも優る「環境教育」と言えるのではないでしょうか。

みつまた保育園(埼玉県) 設計/新中央設計東京
みつまた保育園(埼玉県) 設計/新中央設計東京

「私たちはずっと自然環境が大事だと考えてきましたから、OMソーラーに共通性を感じ最優先で導入しようと決めました。費用が掛かるとのことですが、削れる部分は削ってでもOMを入れたいと考えました。」
みつまたエコ・エディケアセンター代表 村山祐一さん

「OMソーラーはわかりやすい暖かさではありませんが、動くとすぐに上着を脱ぎたくなりますので、他の暖房は切っています。200名近い園児たちも上履きを使わないどころか、時には靴下を脱いで元気に過ごしています。」
園長 村山良子さん

文教施設

文部科学省は、平成9年度にエコスクールパイロット・モデル事業を開始しました。エコスクールとは、環境に配慮して建設された学校施設をいい、環境負荷を低減させる設計・建設であること、環境教育にも活用できること、学習空間・生活空間として健康で快適であること等がその要件として掲げられています。
自然エネルギーの素晴らしさを子どもたちに体感してもらうため、いち早くOMソーラーを導入した金山町立金山中学校(山形県・平成4年完成)や二本松市立原瀬小学校(福島県・平成6年完成)は、その先駆け施設としてエコスクールの調査対象となりました。この事業は、経済産業省・農林水産省と連携しており、平成15年度には、累計342校が建設されています。

ポイント
  • 教育的効果…環境共生建築による環境意識の向上。地域社会のシンボル的存在。文化交流発信の場の演出。
  • 換気…教室内換気による室内空気質の向上。OMの換気は暖房負荷にならない。
  • 床暖房…頭寒足熱にて学習環境として適切。
  • 安全性…低温間接暖房であること。火を使わない。
川上村立川上中学校(長野県)
川上村立川上中学校(長野県) 設計/エーシーエ設計

「OMの入っている普通教室棟は棟全体がほんのりとした暖かさで、他の棟と行ったり来たりすると違いがはっきりと分かります。夏は夏で排熱してくれていますし、こんなことなら校舎全部にOMを入れれば良かったとお話しているんです(笑)」
教頭 白鳥敦生さん

愛農学園農業高等学校(三重県)※減築事例 設計/野沢正光建築工房
愛農学園農業高等学校(三重県)※減築事例 設計/野沢正光建築工房

「(OMソーラーについて)実際には体験したことが無かったので、不安がないとはいえませんでしたが、11月にぐんと寒くなり、外気温がマイナスになりました、その時の室温が17℃近くありましたので、これがOMソーラーなのかとびっくりしました。」
校長 奥田信夫さん

環境学習にも注目!OMソーラー

OMの動きをわかりやすく説明したパネル/石井統合小学校(福島県) OMの動きをわかりやすく説明したパネル/石井統合小学校(福島県)OMソーラーを導入した学校での授業は、日々が「太陽熱の体感」。 OMソーラーを導入した学校での授業は、日々が「太陽熱の体感」。

学校や福祉施設、コミュニティ施設などの施設へのOMソーラー導入は、太陽熱の体感を通じて、わかりやすく、かつ自然に環境共生の考え方を学べることから、近年では施設そのものが環境学習の教材として注目されています。OMソーラーが導入された文教施設での授業はもちろん、高校や大学などの「環境」を専攻する学習の場でのOMソーラーの実験棟建設や、学校の教科書でのOMソーラーの紹介は、そうしたOMソーラーの環境意識啓発効果を活かした事例です。

OMのシステムを教材にした例
静岡県立掛川工業高校…OM等を使った環境エネルギー利用実験棟
静岡県立島田工業高校…環境実験室に採用
関東職業能力大学校…ミニ実習棟に利用
岐阜県立森林文化アカデミー…ミニ実習棟に利用
群馬県立前橋工業高校…ミニ実習棟に利用

教科書に OM が掲載された例
図説新詳地理B資料初訂版(高校用/帝国書院)
高校生の世界地理A初訂版(帝国書院)
図説家庭科資料集(中学校用/実教出版)
新理科表・神奈川県版(正進社)
初めての建築環境(学芸出版社)

医療施設

本来病気を治す医療現場で、逆に病気をもらってしまう「院内感染」。医院建築を考える上で、大きなテーマのひとつが、この「院内感染」対策です。院内感染の防止対策は、建築面においては、できるだけ多量の換気を行い、室内空気質(IAQ)を正常に保つことが必要とされています。しかし、省エネの観点からは、逆にできるだけ少ない換気が求められます。
「暖房しながら、換気をする。」この相反する2つを同時に行うOMソーラーならではの特長は、患者さんのための環境としてはもちろん、働くスタッフの労働環境としても医院建築との適合性の高さを無理なく物語っています

東川耳鼻咽喉科(広島県) 設計/伊礼智
東川耳鼻咽喉科(広島県) 設計/伊礼智設計室 

「エコロジカルな医院を建てたいと関連雑誌に目を通し、その中で興味を持ったのがOMソーラーでした。色々なものをごちゃ混ぜにして建物を建てるのではなく、小さなモーターで自然エネルギーを活かし、建物全体に熱をまわす単純なシステムがわかりやすかった。
OMソーラーを入れたことによって、医院の空気が軽やかになったように感じます。医療機器は湿度を嫌いますので、機会の寿命ものびるのではないでしょうか。」
院長 東川敏彦さん

「設計は、遮音性能から起こし、余計なデザインは極力省いてできるだけ気持ちいい空間をつくるように工夫しました。」
伊礼智設計室 伊礼智さん

  • 換気…清浄な空間。病院臭さを抑える。
  • 床暖房…穏やかなあたたかさ、熱的バリアフリー。
  • 自然エネルギー利用…緊張感の緩和、やすらぎ空間の演出。

コミュニティ施設

集会・研修施設は、地域社会におけるコミュニケーションの場として欠くことのできない存在です。今、その施設づくりに求められる声の多くは、維持管理の容易さと共に、きたるべき高齢化社会に対応する優しい室内環境と言われています。こうした中で注目を集めているのが、太陽エネルギーをはじめとする自然エネルギーの活用です。OMソーラーは、少ないランニングコストで済むこと、ほとんどメンテナンスを必要としないことなどから、このようなコミュニティ施設に適したシステムと言えます。また、管理者が常駐せず利用時以外は閉め切っておく施設においては、冬期の結露・カビ対策としても有効です。

朝日町エコミュージアム・コアセンター創遊館(山形県)設計/スタジオ建築計画
朝日町エコミュージアム・コアセンター創遊館(山形県) 設計/スタジオ建築計画

「この建物は町の在り方自体を表しているのであって町の代名詞のようなものです。エネルギーや環境に対してどういう考えを持っているかということを、この建物が説明するという位置付けになります。そして OMソーラーは、その全体の中の一つとして組み込まれているのです。」
スタジオ建築計画 元倉眞琴さん

田貫湖ふれあい自然塾外観・内観(静岡県) 設計/プレック研究所
田貫湖ふれあい自然塾(静岡県) 設計/プレック研究所

「今、学校教育において自然とふれあう体験をすることが大変重視されていますが、学校の授業ではなかなか難しいのです。しかしこうした自然の中だと五感を使って体験することが可能です。」
田貫湖ふれあい自然塾 スタッフ

公営住宅

最近の都市部におけるヒートアイランド現象に見られるように、快適な生活を過ごすためには、室内環境のみならず、建設地の土壌や敷地、その土地が持つ特性などの考慮なくして、心地よい温熱環境を得難い時代となってきています。具体的には、アメダス気候区よりさらに小さな微気候や、水みち、植生のツボ等を調査し、自然の地形を団地計画や住宅設計にうまく活かしていく必要があります。これを地域全体で考えれば、様々な試みが可能となります。そうした計画の中で、OMソーラーは本来の性能を発揮することができるでしょう。

  • 床暖房…全館床暖房による熱的バリアフリー、ランニングコストの低減、吹き抜け空間による開放的間取りの実現。
  • お湯採り…お風呂などへの充分な給湯利用。
  • 相乗効果…隣近所との連帯感、生活スタイルの変化、エコロジー団地。
青垣町公営住宅 神楽団地(兵庫県)設計/松本一級建築士事務所
青垣町公営住宅 神楽団地(兵庫県) 設計/松本一級建築士事務所

「入居者からは『床からの柔らかい暖かさに家族みな“はだし”で歩きたくて、家中のスリッパをやめてしまいました。本当に快適です。』と喜ばれています。省エネにつながる、すばらしいことです。全国の年間公営住宅建設の戸数は45,000戸といわれています。より多くの公営住宅にOMが採用されれば、大きな省エネ効果になるでしょうね。」
松本一級建築士事務所 松本智啓さん

その他の用途施設

OMソーラーは、地域におけるシンボル的存在ともなる「役場庁舎」や「郵便局」、レクリエーションを兼ねながら環境への関心を高める「環境学習施設」、祈りや説法の場として温かな大空間が求められる「宗教施設」など、多くの施設建築分野に導入されています。

教会

仙台東一番丁教会(宮城県)設計/大岡山建築設計研究所
仙台東一番丁教会(宮城県) 設計/大岡山建築設計研究所

「礼拝堂のような大空間ですと使われていない期間に建物の温度が下がりきってしまい、再度立ち上げるために多くの時間とエネルギーが必要になりますが、OMならばランニングコストをかけずに一定の室温がコンスタントに維持できますので、教会とOMとは非常に相性が良いのではないかと思いました。」
大岡山建築設計研究所 田淵論さん

ゴルフ場

森林公園ゴルフ場センターハウス(愛知県)設計/地域計画建築研究所
森林公園ゴルフ場センターハウス(愛知県) 設計/地域計画建築研究所

「コンペの条件に自然と環境に配慮した建物という項目があり、屋根が南向きで集熱の設置面積が取れることから、自然エネルギー利用のシンボルになればとOMソーラーを提案しました。」
建築家 道家駿太郎さん(基本設計)

「たくさんの人々が出入りする施設にも自然エネルギーを利用するという方向は、時代に即していると思います。」
地域計画建築研究所 間瀬高歩さん